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Frco.Don
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競走馬育成牧場でおぼえた騎乗。その後、全国8カ所・8種の在来馬を乗り歩く。平成30年宗像大社春季大祭・流鏑馬騎手。ヨットは我流。カヤックイベント企画、カッター先生。住吉能楽堂講座・企画運営.講師、街歩き「那国王の教室」企画・運営などなど、、、

2024年02月05日

月と式部/道長の筆跡・乗馬/官位etc

〜光の君へ 第5回「告白」〜

月の夜、三郎道長とまひろ式部が再会するのは、満月照る森深い社殿の一角のような場

『源氏物語』〜五十四帖 夕顔〜に身分を隠しての、夕顔という女性との光源氏の逢瀬が描かれます
「八月十五夜、隈なき月影、隙多かる板屋」での逢瀬で、源氏の夢にもののけがあらわれると、夕顔は、はかなく息を絶やすのです、、

出会って以来、身分を隠してきた二人が、それぞれ右大臣・兼家三男道長、従七位下(前後の設定か?)散位・為時娘と、改めて確認する場も満月の夜が用意されたワケです。月光が足元を照らすなか、心に思う三郎道長の兄が母を殺した道兼であった事への戸惑い、悔しさ、与えられた運命の残酷さにまひろ式部が嗚咽する姿には、はからずも落涙を誘われるのです

月と式部/道長の筆跡・乗馬/官位etc

史実上の式部母の死は、式部の弟が生まれて間もなくとされています。産後の日だちによる落命のようです。史実とは異なる設定で描かれていると知りながらも、涙を誘われるとは、物語、フィクションの力を改めて知るのです

道長は、まひろ式部へ、満月の夜、訪ねると書をよこします。堂々とした筆跡で復元された道長書状がアップで登場しました。
道長は、世界最古の直筆日記『御堂関白記』を伝えます。陽明文庫蔵・国宝。たしかに堂々とした筆跡

道兼によるまひろの母殺しを知り、まひろをその場に残して邸へと騎乗で戻る際の姿は様になっていました。柄本佑は相当、乗馬をやっているなと思うわけです
月と式部/道長の筆跡・乗馬/官位etc
陽明文庫蔵「御堂関白記」

ところで、ここ、あそこと、今日は位階について語られるシーンが、いくつかありました、
朝廷のどの職「官職」につけるかは身分「位階」次第です

太政大臣「正一位」「従一位」。左大臣「正二位」、右大臣「従二位」、大納言「正三位」、中納言「従三位」。これら「正一位」から「従三位」までがいわゆる「公卿」。上流貴族です

「正四位上」「正四位下」「従四位上」「従四位下」「正五位上」「正五位下」「従五位上」「従五位下」。こちら、中流貴族、「昇殿人」とよばれ内裏清涼殿南廂・殿上の間への昇殿を許された人々。時代が降り、承徳2年1098、天承2年1132になると、源義家、平忠盛とが、それぞれ従位四位下、従位四位上を与えられて、武士、軍事貴族として初めて昇殿人に数えられます

そして、六位以下が「下級貴族」。前回まひろが、「同じ藤原でも下のした、気にしないで」と、まだ三郎として知る道長へ、かきくどくように言うシーンがありました。まひろ式部父・為時は、式部が宮仕に初めて出る頃には、従七位下、または従八位上が勤める、蔵人職、播磨国の権少掾などを歴任していました。こののち冷泉帝の引き立により従五位下に叙されて越後国守に任官します

下のしたと申しましても、それは貴族社会の中だけをみてのことで、当時500万の人口があったと推測されますが、うち貴族階級は150人から200人。全人口からみれば、まひろ式部の家族は上位0.3%にふくまれる、選ばれた上流階級のうちわにある人々なのでした

来週の予告編にはファーストサマーウイカ・清少納言の顔がちらり
月と式部/道長の筆跡・乗馬/官位etc


紫式部日記に

少納言は、得意げな顔で、文章中に漢字をひけらかす。でも、実際の漢文の知識はというと疑わしい。まして、自意識過剰。必ず、まわりからみくびられる。調子いいのも今だけ。ちょっと見の感性を引き回すだけで、内容を感じない。それで、どうなのだと端から観察するのだけれど、、

と、清少納言評。来週からは、お互いの関係が描かれる、、、

『紫式部日記』清少納言評部分原文
清少納言こそ、したり顔にいみじうはべりける人。さばかりさかしだち、真名書き散らしてはべるほども、よく見れば、まだいと足らぬこと多かり。かく、人に異ならむと思ひ好める人は、かならず見劣りし、行末うたてのみはべれば、艶になりぬる人は、いとすごうすずろなる折も、もののあはれにすすみ、をかしきことも見過ぐさぬほどに、おのづからさるまじくあだなるさまにもなるにはべるべし。そのあだになりぬる人の果て、いかでかはよくはべらむ。

おまけ:財前直見演じる、兼家側室・藤原寧子が登場。この人は、兼家の浮気癖を「嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る」と歌い、百人一首に選収される歌人でもあります。浮気を嘆いて、現代に至るまで観賞にさらされるというの、も、だうなのだらう?歌だけにおさまらず、彼女は 『蜻蛉日記』に、兼家との生活を不遇であった、と綴ります。なお、『蜻蛉日記』は女性初の日記文学、、、

記事内のリンクに不具合がある場合には、ご一報いただけるとしあわせです。
tahi_qz@ybb.ne.jp

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