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競走馬育成牧場でおぼえた騎乗。その後、全国8カ所・8種の在来馬を乗り歩く。平成30年宗像大社春季大祭・流鏑馬騎手。ヨットは我流。カヤックイベント企画、カッター先生。住吉能楽堂講座・企画運営.講師、街歩き「那国王の教室」企画・運営などなど、、、

2024年01月16日

蔵之介・宣孝とまひろ、曽祖父・歌人兼輔、代書屋・夕顔の歌、高御座で女を抱く花山天皇

〜光の君へ 第2回「めぐりあい」〜

冒頭は女性の成人を祝う「裳着の儀」。佐々木蔵之介・藤原宣孝が、男性でいえば烏帽子親にあたる「腰結」の典礼をつとめる
テロップに永観二年984とながされると、「まひろが母をなくしてから六年の歳月が流れた。そしてこの夜、成人の儀式がおこなわれたのである」と、伊東敏恵アナのナレーション

蔵之介・宣孝とまひろ、曽祖父・歌人兼輔、代書屋・夕顔の歌、高御座で女を抱く花山天皇

まひろの年齢を8歳に設定した、母ちやは刺殺事件から6年。紫式部の生年は、天禄元年970年・天延元年973・天元元年978など諸説あるが、「光の君へ」主人公のまひろ式部は天禄元年970年説をとるらしい

『紫式部日記』寛文七年の消息文に、今以上に老いぼれて、「めつらにそ」視力が落ちて経典も読まなくなるとある。この愚痴がこぼされた時期を、老眼が進む40歳前後と仮定し、他に、藤原実資の日記『小右記』にあるその後の式部の記録などから比定された各説で、いずれも信用できない

「腰結」をつとめた蔵之介宣孝は、まひろ式部が少女の頃から岸谷五郎為時の友人として初回から登場した
歴史上の宣孝と為時の付き合いは、ドラマ上のまひろ式部「裳着儀」同年、本郷奏多・師貞親王が即位し、花山天皇となった永観二年984.10月以降のことだと考えられる。二人は花山天皇の下、同僚として秘書官・蔵人に着任する

長徳二年996、越前守に着任した為時とともに、まひろ式部が越前へ下ると、宣孝はまひろへ、数通の恋文を贈る(上野辰義「紫式部と藤原宣孝」)。長徳4年998頃、ふたりは結婚。長保3年1001.4月15日、紫式部と一子をのこし宣孝は疫病に罹患し死去する。式部と宣孝の結婚生活は3年足らずで終わる

自室の文机にむかうまひろ式部は、「人の親の 心は闇に あらねども 子を思ふ道に まどひぬるかな」と口ずさみつつ、書き写す。『後撰和歌集』撰収の曽祖父藤原兼輔の歌。兼輔は、朱雀天皇下、従三位にのぼり権中納言をつとめた

男を声色して代書屋家業に励む、まひろ式部は、最初に代書した桜花の歌を女御から突き返されたと泣きついてきた、人のよさそうな職人に、今度は「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 花の夕顔」と詠じて渡す。三郎とまひろのあいだのその後を予見させる、もうひと悶着があり職人は恋を成就する

蔵之介・宣孝とまひろ、曽祖父・歌人兼輔、代書屋・夕顔の歌、高御座で女を抱く花山天皇
蔵之介・宣孝とまひろ、曽祖父・歌人兼輔、代書屋・夕顔の歌、高御座で女を抱く花山天皇

近くにより、大切に御覧ください。黄昏にぼんやり現れた夕顔の花を、と、詠うこの歌は、『源氏物語』四帖「夕顔」所収の、夕顔から贈られた「心あてに それかとぞ見る 白露の 光添へたる 夕顔の花」への光源氏からの返歌でした

蔵之介・宣孝とまひろ、曽祖父・歌人兼輔、代書屋・夕顔の歌、高御座で女を抱く花山天皇

扇子を足で操るりながら、母娘ともども遊んだと漢文指南役としてのぼる為時を揶揄う奏多師貞親王。この奇行譚は、親王が花山天皇となり後、出家するが、その後のことで、母娘と通じたうえ、その主人とも関係を結んだという。主人は、花山天皇の叔母にあたる人。別に大極殿高御座で女官と交るという話もつたわります

ただし、前者は『栄花物語』、後者は『江談抄』にあることで、花山天皇没100年後に著された資料中にある話。同時代史料の藤原実資『小右記』中にはみられない話

さて、奏多・花山天皇の話はともあれ、
『後撰和歌集』選定の曽祖父と、『源氏物語』へのオマージュが配された第2回でした。


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