天の邪鬼コラム・宗像三神の怒り.麻生知事倒れる
5選出馬に意欲の麻生知事・引退を望む自民
西日本新聞によると、18日午後、麻生渡知事が世界遺産の暫定リストに記載された宗像・沖ノ島を視察中に熱中症にかかり
倒れたとのこと。その後、体調は回復し、今後の公務に問題はないらしい。
県の最重要政策の一つである沖ノ島の世界遺産本登録実現に向けて知事としての取り組みを、県民に知らせるために自ら準備した場で、麻生知事にしては珍しく失態を演じた。
筆者は右派改革派として、麻生知事の政策を批判し、時には政治的打撃を与えるような行動をとってきた。
その何れもが、おそらく知事ご本人にとっては片腹痛し程度の打撃に過ぎなかったと思うが、今回、沖ノ島で倒れたことは、私のようなチンピラ行動家が差し出す貧弱な刃に比べれば数層倍の打撃となったろう。
5選目となる次回知事改選に向けて、任期2年を切った現在。ご本人は5たびの出馬に意欲を示すが、これまで支援してきた自民党の本音は引退を願いたい、あるいは、来年改選となる参議院に回ってもらいたいという所にある。
自身を取り巻く県政界のそんな込み入った裏事情がある中、今回、酷暑の中の視察とは言え、知事の公務としては普通に考えられる日程をこなすという状況で倒れてしまったことは、知事の引退を望む人々に70歳という高齢であることも重ねて「健康不安説」を口にさせる格好の材料を与えることになった。
宗像三女神の意思表示
それにしても、筆者は、沖ノ島で麻生知事が倒れたという報道を目にして、世には本当に不思議なことが起こるもだと心底思った。沖ノ島の沖津宮、大島の中津宮、宗像大社本宮の辺津宮に鎮座まします宗像三神が麻生知事に対して、神託にかえて意思を示されたと思ったのだ。行動家だという筆者がこう言えばどこか、オカルト教団の話のようにもなるが、去る3月に行われた沖ノ島の世界遺産本登録に関する一連の報道を目にされた方ならばなるほど、そんなこともあるのかもしれない、と思われるだろう。
ここ十年、麻生知事が地元財界と結んで、悲願としてきた新宮沖への新福岡空港建設計画に反対し、同問題に関連した地域の市町村における議会選挙や、市町長選挙、国政選挙で空港建設推進派の候補が不利となる行動やキャンペーンを筆者は行ってきた。もちろん、知事選挙では、麻生知事に対抗して空港建設に反対を訴える候補を応援した。
冒頭、右派改革派と自称したように、もともと、保守政界の中で育ち政治活動を行ってきた筆者だが、県政界において、保守政治を象徴する存在である麻生知事に弓を引き、仲間内ともいえる先にケンカを売って今日まできた。
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神話・伝説を売る保守
そこには、山を開き、海洋に人工物を建造し自然を毀つことが保守政治本来の役割なのか、という問いがあった。
保守と自認する人々は、民族の精神文化や誇りを口にするが、精神、文化、そして誇りとは、この国土(くにつち)が天地に見せる美しさとは無関係に育つものかという問いだ。
神々が踊り神話が生成され、伝説が起こる。無意識と意識とに関わらず、意識の深層で、それら民族の神話、伝説が共有された時に、人々の間に共通の精神、文化が生まれ、誇りを手にすることになるのではないのか。樹林の青が垣根をなす山野に民族精神を生む神話が生まれ、蒼波が行く海原に、文化を育て、誇りをなす伝説が起こるとすれば、金品と引き換えに、いとも容易く山を開き、海原を毀ぼつという行為は、民族の精神、文化、誇りに対する背信・背徳以外の何ものでもないだろうと、問い続けているのだ。
新宮沖の玄界灘に新空港を建設するとは、志賀海神社の綿津見神、宗像神社の海神三女神らの神々が、古事記や日本書記中の神話に描かれ、展開する宇宙のただ中に、突如として無機質な建造物を構築するということだ。神々への冒涜ともいえる、このような仕業を平然と成し遂げることができる人格のどこに、精神だとか文化、誇りといった心の領域に触れることを口にできる感覚と神経が宿っているというのか。筆者には理解できない。
そうした、いささか偏頗ともとられる思いを地下水脈としながら筆者は、保守政界から見れば裏切り者の姿で、新福岡空港建設計画問題に取組んできた。
新空港計画が世界遺産を葬る
神々の海を毀つ空港建設を阻止するとは言っても、実努上は計画を主体する行政に対して財政上の問題を指摘することや、開発を行う手続き上の不備を突くといった技術的な手法や、冒頭紹介したように、さまざまな選挙で新空港建設計画推進を口にする候補を不利に陥れる方向で動くというような現実に即した方策をとってきた。
ところが、ある時、新空港建設計画を阻止する上で行う論争において、これまで行ってきた、財源や行政手続きの不備を突く、といった技術的な方策ではなく、山を開き、海洋に人工物を建造し自然を毀つことが保守政治本来の役割なのか、という保守政界に直接ぶつけたい筆者の問いを、明確に、わかりやすく伝えられる問題があることに気づいた。
新宮沖への新空港建設計画が、同計画と並ぶ県の二大重要政策の一方であり、麻生知事本人にとっては5選へ向けての得点を重ねる重要な政策という位置づけとしてある世界遺産暫定リストに記載された「宗像・沖ノ島と関連遺産群」の本登録実現という課題を完全な形で葬ってしまう要因となる、という問題だ。
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神意を代弁する問題
新空港建設計画比定地は、「宗像・沖ノ島と関連遺産群」に含まれる最南端の遺跡からわずか、5キロの位置にある。
この直近の位置に12キロに及ぶコンクリートの壁に囲まれた人工物を平然と建造するという行為は、「宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界遺産本登録に向けた主題である「沖ノ島を中心とした海洋信仰が現代に至る今に生きている」と言う理屈が実は真っ赤な嘘であり、希少な人類文化と自然環境を守るとする世界遺産条約の精神などは、屁とも思っていないのですと、その判定を行うユネスコ世界遺産委員会や文化庁内に設置された世界文化遺産特別委員会に対して、白状しているに等しいことだと筆者は気づいた。
麻生知事は、神話・伝説に彩られる沖ノ島の精神世界を守る為に、周辺海域の自然環境を保護し、世界遺産の本登録を目指すのか、神々の海に巨大人工物を構築する新空港建設計画を推進の判断を下し、沖ノ島の世界遺産本登録を諦めるのかという矛盾の迷路に、いつのまにやら追い込まれていたのだ。
迫る知事の決断と報道の仕掛け
この事実に気づいた時期は、麻生知事が、新空港計画を進めるのか、撤回するものかその意思表示を年度末である3ケ月後には表明しなけらばならないという期限がせまった頃であった。筆者にとって、このことは天佑という化石と化し、人々の間で死語となった語に瑞々しさを与えるものであった。
ここから筆者は、新宮沖への新空港建設計画が進められれば、世界遺産暫定リストに記載された「宗像・沖ノ島と関連遺産群」の本登録への道は完全に閉ざされる事になると訴えるキャンペーンをはじめた。
新空港の建設計画が世界遺産暫定リストに掲載された沖ノ島直近の海上を予定地としてあることを文化庁の世界文化遺産特別委員会・座長へ知らせ、
そのことについての所感を質す一方、報道各社が同問題をとり上げるよう体制を整えていった。
報道資料1.海の正倉院に開発余波/西日本新聞
報道資料2.知事宛空港世界遺産問題申し入れ/各紙
報道資料3.福岡市長宛空港世界遺産問題申し入れ/各紙
文化庁は沖ノ島近隣海上に空港建設計画があるという情報を持っておらず、筆者の文化遺産特別委員会・座長への報告は麻生知事が隠している秘密を告げ口したようなものとなった。
未練に祟る神様のいたづら
20年度末となった3月。麻生知事は、新空港建設計画についての記者会見を行い、
将来に向けた調査研究は必要だが、一旦新空港建設計画を撤回するという、20年にわたって行われてきた、新福岡空港建設計画についての結論を出した。
結論に至る上で、沖ノ島の件をどの程度判断の重量として図ったかということについては、ご本人に質さない限り不明だ。
さすがに20年に及んで、建設を悲願としてきた新福岡空港のことであることからだろう、現在の国の財政をはじめとした政治的要件を冷静に見れば、将来にわたっても新空港の建設など望むべくもないことだとの結論以外に行き着く先はないのだが「将来に向けた調査研究」という捨てられぬ未練の文言が加えられた。
近隣の海上に空港が建設されるという涜聖の危機は、ひとまず葬られたわけだが、将来に向けた未練を残したことを知っておいでのゆえに女神が軽く祟りを興されたものか、その棲む島・沖ノ島をおとづれた麻生知事は、拒絶されるかのように熱中症で倒れヘリコプターで搬送された。
思えば、宗像・沖ノ島の女神はよく祟りを行われる神だ。
日本書記の履中天皇五年三月朔条に宗像神の告げとして
「何ぞわが民を奪いたまう、今、汝(いまし)に慚(はじ)みせむ」(なぜ、わたしの民を奪うのか、今に、おまえ(履中天皇)を祟ってやる)とある。
同じく雄略天皇九年二月朔条と三月条によれば、
機内王権の使者が執り行った宗像神の祭祀がいたらず、祟りを呼び新羅出兵が取りやめになったと見える。
宗像三神。
この海原を宰領する女神らは、時に厳しく祟りを興される神でもいらっしゃいます。
今回、事なきを得た知事。体調の安定を三神に奏上されることと、今後、真摯な尊崇の姿をお見せ申し上げられる事をおすすめいたします。
現代に至っても、世には不思議なことがおこるものでございます。
(天の邪鬼居士)
〜 闘争する雑誌 Web板 7月21日週号 目次 〜
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議員第二の給料50万円「政務調査費」の行方
・ 秀吉が食べた
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・ 天の邪鬼コラム(1)
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