黒田官兵衛のものなど、福岡藩に伝わる立て膝肖像画の話

Frco.Don

2016年10月07日 09:47

筑前黒田家中には、立て膝をついた姿の肖像画が、多々伝えられている。
例を上げると、黒田孝高をはじめ藩主では、長政・忠之。家臣では黒田
一任・栗山大膳・母里太兵衛・井上九郎右衛門などなど。  

で、「坐る」と云うことについて調べて知ったことは、江戸時代半ばま
で、胡座が当たり前で、くつろいだ坐り方としては立て膝か横座りだっ
たと云う事。茶室が二畳や三畳の狭い広さになる前は、茶席でも胡座だ
ったそうで、これには驚いた。

立て膝で坐る肖像画は、古くは柿本人麻呂・西行・宗祇・細川幽斎など
のものが伝わる。おもしろいのは、女性による立て膝姿の肖像画。徳川
家康長女・亀姫、家光生母・小督の方、芭蕉門人の河合智月、豪商三井
高利の妻、徳川慶喜妻・美賀子などが、立て膝姿の肖像画を遺している
そうな。

庶民一般が正座をするやうになるのは、明治維新後の事なのだそうだ。



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